ビジョンとミッション
製薬医学専門家の知識、専門性およびスキルの向上を通して製薬医学を推進し、患者と社会のベネフィットのために医薬品へのアクセスと適正使用へと導くことにある。
達成目標
A) | 業界、規制当局、学会および国際機関が注目する各種案件への対応を通して、製薬医学専門家の団体として行動する。 |
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B) | 専門性の高い知識を要する固有の医学専門領域として、またプロフェッショナルとしての責任を持つ独自の分野として、製薬医学の発展と社会的認知を促進する。 |
C) | 製薬医学専門家の知識、専門性およびスキルの向上を目的とした製薬医学の研修と生涯教育プログラムの開発を促進する。 |
D) | 製薬医学専門家の役割を定義し、価値を確立する。 |
E) | 製薬医学上の案件や問題に対応するために、医学および関連領域の専門家、規制当局およびIFAPP(国際製薬医学会)との間に緊密な関係構築と相互理解を推進する。 |
F) | 製薬医学に関する会議を主催し、必要な関連の会議について調整する。 |
Vision & Mission
To promote Pharmaceutical Medicine by enhancing the knowledge, expertise and skills of pharmaceutical professionals, thus leading to the availability and appropriate use of medicines for the benefit of patients and society
Aim & Objectives
A) | To act as the organization of Pharmaceutical professionals by dealing with matters brought to its attention by industry, regulatory bodies, academic authorities and international organizations |
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B) | To foster the development and recognition of Pharmaceutical Medicine as a separate medical specialty with its specific body of knowledge and distinctive fields of professional responsibilities |
C) | To foster the development of training and continuing educational programs in Pharmaceutical Medicine for enhancing the knowledge, expertise and skills of pharmaceutical professionals |
D) | To define the role of Pharmaceutical professionals and establish its value |
E) | To promote a closer relationship and understanding between the medical and allied professions, regulatory authorities and IFAPP (International Federation of Associations of Pharmaceutical Physicians) for dealing with matters and issues in Pharmaceutical Medicine |
F) | To organize conferences on Pharmaceutical Medicine and to arrange any other meetings as deemed necessary |
企業内での業務内容
研究開発における医師の役割
はじめに
製薬会社は安全性と有効性に優れた医薬品を提供し、病を克服するという人類共通の命題を遂行するために、医療現場、行政、さらには患者集団とともに重要な役割を担っている。
製薬企業の主な役割・使命は、安全で科学的に有効性が優れた医薬品をできる限り迅速に開発し、世に送り出し、その後も正しい使用を促進することである。製薬企業で働く製薬医学専門家は、医療現場、疾患、医療倫理に精通した専門家として、製薬企業の使命を果たすために様々な貢献をすることが期待されており、主として、安全性調査・報告、メディカルアフェアーズ、研究・開発に携わっている。学術的側面からマーケティングに関わっていることもある。本稿では、研究・開発に携わる製薬医学専門家の役割について述べる。
医薬品開発における製薬医学専門家の役割
医薬品開発の大まかな流れは,候補物質の合成・スクリーニングや動物での実験(非臨床試験)→臨床試験(第一相から第三相試験、治験)→承認申請→当局による審査と検討→製造販売承認→薬価収載→発売である。研究・開発に携わる製薬医学専門家は、この流れのいずれにも関わるが、臨床開発において臨床試験から承認申請、その後の当局とのコミュニケーションにおいて主導的な役割を担うことが多い。
臨床開発組織・機能からみた製薬医学専門家の役割
臨床開発に関わる組織の細部は各社異なるものの、ほぼ共通の機能としては、治験の計画立案を担当する企画部門、モニタリングなど臨床試験の遂行を担当するオペレーション部門、行政とのコミュニケーションを担当する薬事部門、臨床試験成績の集積・解析を担当するデータマネージメント・統計部門がある。最近では第一相試験や臨床薬理試験などを専門的に実施する臨床薬理グループを独立させている会社も多い。
さらにプロジェクトマネージメント、メディカルライティング、市販前の安全性を担当する機能などを、関連部署と統合したり、独立させたりと、各社において、取り巻く環境の変化、会社の方針などによって組織形態は常に変化している。
この中で製薬医学専門家が最も多くその役目を担っているのは、治験の計画立案で、次に臨床試験のモニタリングにおける治験実施医師との医学的な議論、行政対応における医学的側面の支援などの役割である。臨床薬理部門が独立している会社では、そのグループリーダーをしている医師もいる。
企業における製薬医学専門家のキャリア
大学や研究所で研究していた製薬医学専門家が、初めて製薬会社の臨床開発部門に入った場合の一般的なキャリアについて述べる。
入社後まず、ある新薬開発プロジェクトに医学専門家として配属され、先輩の医師や、経験豊富な臨床開発担当者が務めているプロジェクトリーダーを補佐する役目を担うのが一般的と思われる。この時期に、臨床開発全般の知識、プロジェクトの運営方法、安全性情報の対処、臨床試験のプロトコール作成など、臨床開発の基本的な知識・技能を学ぶ。外資系の会社では、本社とのコミュニケーション、対応の仕方も身につける必要がある。さらには、会社という、アカデミアとは異文化の世界での生き方を身につけることになる。
この時期に、プロジェクトチームメンバーと協調し、また、関連部門との調整を図るなど、会社生活を通じ多くの経験をすることが、その後会社という組織で成功するかどうかに影響すると思われる。また、医師はそれぞれ専門領域を持ち、その領域の新薬開発に力を発揮することが当然期待されるが、国内にある企業に所属する製薬医学専門家の人数は欧米にある企業と比較すると決して多くはなく、現実には専門以外の領域の新薬開発を担当することも少なくない。自身の専門領域の新薬開発を担当できることが理想的で、貢献度も上がると思われるが、臨床開発の経験を積むためには、専門領域に限らずどの領域にもチャレンジすることが有意義であると思われる。
このようにして2-3年経験すると一つのプロジェクトのリーダーとしての役割を果たせる人も出てくる。4-5年も経つと中には専門領域のリーダーとして、複数のプロジェクトを主導し、営業やマーケティングなど会社の他部門と関わることも増えてくる。プロジェクトのアドバイザー的役割を担う教授クラスの外部医学専門家とのコミュニケーションをとる場合の中心的存在となることも多い。
また、この頃には管理職としてマネージメントに力を発揮する人、あるいは臨床薬理などの専門家としての道を歩んだり、安全性やメディカルアフェアーズなど臨床開発以外の機能に移ったり、他社にて自分の興味や将来構想に合致した機会を追求する人も出てくる。6-7年も経験を積むと、我が国での臨床開発のエキスパートとして、学会やシンポジウムでの講演などの機会も増え、中には他社やアカデミアからより高い役職として迎えられる人も出てくる。その後は、各人の将来ビジョン、会社や個人的事情などにより、様々な進路があり得る。
製薬企業で働く製薬医学専門家の素養
最後に、製薬企業で働く製薬医学専門家の素養について述べる。製薬企業に職を得る製薬医学専門家は、当然ながら医学知識は豊富であり、研究歴も長く、論文やプロトコールの作成、英語でのコミュニケーションなどに強みを発揮する人が多い。これらの技術的要素は企業で働くためには最低限必要な素養として求められる。加えて、高い順応性が備わっており、ほとんどの場合は企業でも順調に成長する人が多い。しかしながら異なる文化・環境になじまず、中には他の進路を選択する製薬医学専門家もいる。
研究・開発領域に限らず、企業で働こうとする製薬医学専門家は、技術的素養以外に、以下に掲げるような社会的素養も必然となってきている。
- 国際的視野・感覚
- Big picture、 Proactiveな考えを持ち行動すること
- 自分の意見を建設的、かつ明確に言えること、議論できること
- 革新的な考えを持てること
- 人を支援するように考えること
- People skillがあること
現在、医薬品業界は急激な変革期を迎えており、企業で働く医師が果たす役割はますます重要になると考えられる。また周囲からの期待もより高くなり、ひいては厳しい目を向けられることも覚悟するべきである。社会に貢献できる製薬医学の専門家としてさらに向上し続けるべく、各人の努力が期待される。
医薬安全性に関する業務
安全性の仕事
製薬の業界では安全性といった場合、インビボでヒトに投与される以前の動物実験やインビトロの実験から対照となる薬剤の安全性のみを指す場合があるが、ここでは我々は医学的な立場から薬剤のヒトに対する安全性に関わるという意味で安全性という言葉を使用する。普通に臨床に従事している医師にとって、製薬会社の製薬医学専門家の仕事の内容を想像することは、難しいのではなかろうか。医薬品はモノではあるけれど、それを裏から支える情報があって初めて安全かつ効果的に使用できるものだ。薬の安全を支える仕事は、安全監視業務、カタカナ書きではファーマコビジランスと言われる。
WHO(世界保健機構)のファーマコビジランスの定義によれば、「薬剤に関連する有害な効果や関連する可能性のある問題について、同定し、評価し、理解し、予防することに関わる科学と活動である。」とされている。具体的に言えば、情報の収集、情報の評価と安全確保措置の立案、措置の実施、の3段階である。ファーマコビジランスについては各国・各地域(EU)の薬事法やそれを基にした詳細な規制に従わなくてはならない。
なお、こういった安全管理の業務を規制に従って実施することは、各国・各地域における製造販売業の許可要件となっており、業務を適切に実施しているかを監視するための査察が、各国・各地域(EU)の規制当局によって行われている。日本では国や都道府県による査察がおこなわれる。
また医薬品が有効に医療現場で使用されるためにはリスクベネフィットのバランスをとる必要があるが、この作業は医薬品の候補が実際にヒトに投与される前に始まっている。試験管内の試験、動物での試験などを通じて、好ましい特性を持つ化合物のみがヒトに投与される。ヒトに最初に投与する際には、低用量から安全を確認しながら行うと同時に、副作用の発現、体内での薬物の挙動などを詳しく調べる。ただし、健康な成人を被験者とすることが多く、投与の回数も限られているため、薬物の効果についての知見は得られないことが多い。ヒトでこのように薬理学的な検討を行う試験は第1相(臨床薬理)試験と呼ばれ、得られた情報は第2相以降の臨床試験での適切な用法用量を決める基礎データとなる。
外資系企業の場合、ヒトへの最初の投与は日本人以外で行われることが多く、その場合、日本人を対象に行う第1相試験の目的の一つは、日本人での安全性とともに、外国人での結果が日本人にも共通するかを検討し、日本人での適切な用法用量を決める判断材料にすることにある。試験管内、動物での試験結果を適切に解釈してヒトへの初期の投与を最適なものにする上で、特に研究歴のある医師のセンスは役に立つと感じている。また、ヒトへの投与経験がまだ限られている化合物なので、第2相以降の試験以上に安全性への配慮が必要になる。臨床薬理試験を医師がサポートすることにより、医療施設から報告される副作用の重要性について治験を行っている医師と密接な協議をおこない、適切で早い判断をすることが可能である。概して、薬物の代謝については科学的知見が集積しているため、科学的な議論に満ちた仕事である。
これら臨床試験で得られたデータをもとに医薬品は承認される。発売された後はさらにいろいろな状態の患者さんたちに使用されることになり、安全性に関する情報量もさらに多くなる。
1. 情報の収集と報告
医薬品の安全性に関する情報は、基本的に何でも収集すべきなのだが、安全性情報を自発報告と依頼に基づく報告に分けて収集・分析する。日本ではMRが収集する国内副作用症例情報、文献検索で得られる副作用症例報告文献・学会発表、コールセンター等に直接寄せられる副作用症例情報、海外の関連会社から得られる外国症例情報、さらに、国内外の臨床研究や基礎研究の文献や海外の規制当局の行う安全確保措置と、様々のものがある。
通常、集めた情報が最初から十分であることは少なく、可能であれば情報源である医師・薬剤師等の医療関係者をMRが訪問して追加情報を収集する。この時、どのような追加情報が必要かを指導するのは社内製薬医学専門家の大事な仕事である。時には、社内製薬医学専門家が電話で直接、担当医と話をしたり、有害事象が報告された施設を直接訪問して、担当医と話をすることもある。最初の情報源が学会発表だったりすると、副作用の原因と疑われた薬の会社のMRが、発表者の先生に殺到するという光景が見られる。
収集した情報は、この後のステップで利用できるように、データベースに入力して管理していくことが必要である。世界的に情報の重篤性や新規性などから、入手から7日以内、15日以内に各国・各地域の規制当局に報告することが義務付けられている。またそのような症例の迅速報告以外に、安全性の収集・評価・措置などをまとめた定期的な安全性報告も求められる。
2. 情報の評価と安全確保措置の立案
情報を評価するというのは、集めた情報にもとづいて、薬の安全性を確保するために安全確保措置、即ち何らかの行動が必要であるかどうかを考えるということである。
収集された副作用症例の情報は、重篤か否か、薬との因果関係、報告された事象が製品の添付文書、市販前ならばIB(Investigators' Brochure)から予測できるか、といった基準で整理され、要件を満たしたものは日本の規制当局や海外の関連会社に迅速報告しなければならない。これらの予測性・重篤性の判断、有害事象に対する企業の意見のチェックなどは社内製薬医学専門家の重要な仕事の1つである。情報の入手から報告までの期限は上に述べたように厳密に定められている。、なお、海外に発信するあるいは海外から入手する情報は英語が標準になっている。安全確保措置には、添付文書の改訂、医療関係者向けのお知らせ情報の提供などが含まれる。非常に重大な情報の場合は、緊急安全性情報という形での情報伝達が行われる。黄色い紙に赤い文字で印刷された文書で、MRが手渡しで配布するほかに、薬剤部から回覧されてきたり学会誌に綴じ込まれていたりする。これらの文書の医学的な妥当性なども社内製薬医学専門家がチェックを求められる。
よくあるのは添付文書の改訂である。医薬品の箱に入っている添付文書には、使用上の注意などの項目に副作用についての情報が載せてあるが、その情報を最新の知見に基づいて更新するのが添付文書の改訂である。これは意外と頻繁に行われていて、発売後間もないと年に数回の改訂が行われることもある。現場の医師は、通常処方箋を書くだけで、自分で薬の箱を開けることはないので、添付文書が改訂されていることにも気付かない人も結構いるようだが、ネットで添付文書が公開されているのでぜひご覧いただきたい。ある意味で添付文書はその医薬品の安全性情報の結晶のようなものなのだ。
医薬品の安全監視はその製造販売を行っている会社が主体となって進めるのだが、国も責任の一端を負っており、会社から報告した情報や独自に収集した情報に基いて、会社に照会を出したり、時には指示を行ったりして、安全確保に努めている。具体的には医薬品総合機構の担当官からFaxで照会が行われ、それに回答することが会社の仕事になる。海外ではアメリカのFDAやEUのEMAなどの照会・指示が製薬企業本社の文書改定に至り、日本の添付文書にも影響する。
外資系企業では、製品の添付文書は海外本社により全世界で統一的に管理されており、日本のものだからといって国内で決定することはできない。本社の担当者の承認を得るために、時には電話会議で激論を戦わせることもある。外資系企業では決定権を持っているのはアメリカやヨーロッパ本社の社内製薬医学専門家なので、日本も社内製薬医学専門家が先頭に立つことも多い。当局からの照会、多くの場合は事実上の指示と、本社との間で板ばさみになって苦しむことも多いのが実情である。
3. 安全確保措置の実施
添付文書の改訂を行い、医療機関向けお知らせ文書を配布して医療関係者に注意を喚起することが実施段階の主な仕事である。処方を受けた患者さんに直接配布するリーフレットを用意することもある。最も緊急度が高いと判断される場合、厚労省の指示で緊急安全性情報、いわゆるドクターレターを出す。黄色の紙に赤字で印刷されたもので尋常ではないことが視覚から飛び込むようになっている。更に、インターネット上に情報を掲載するほかに、インパクトが大きい情報の場合はプレスリリースやQ&Aを作成し、場合によっては記者会見まで行う必要がある。これらの仕事も場合により、社内医師が関与する。
安全性担当の製薬医学専門家は上記の他にも様々仕事を行っている。医学的な判断を行う場面で決断を下すのは当然であるが、決断とまではいかなくても、業務上の小さな部分で医学的知識が役に立つ場合は結構ある。一般社員が悩んだ場合、製薬医学専門家に相談して問題が解決することは多い。医師の書いた報告書の文字が読めない、略語が分からない、といった些細な、しかし担当者にとっては切実な問題は、ほぼ毎日発生している。
安全性をめぐってMRと顧客医師との間でトラブルがこじれ、どうしようもなくなって持ち込まれて火消しにあたることもある。MRと同行して医師を訪問して、立ちんぼで3時間待ってようやく面会できたなどという経験もあったりする。そういう時に、医師と書かれた名刺を出すと、ちょっとだけ場の雰囲気が変わり、何とか治まったりするから、MRさんにとっては多分強い味方なのだと思う。一度相手が大学の同級生だったことがあり、電話1本で済んだときは心底うれしかった。
また、製薬医学専門家には元々優秀な人が多く、英語に堪能であるのが普通なので、必ずしも医学に限らずなんでも相談を受けることが多い。とにかく、会社の中では製薬医学専門家は特別な存在であり、周囲の期待も大きい。勤務医時代とは異なり、当直はなくなったが、日米欧の三極電話会議では日本は夜の時間帯にならざるを得ず夜勤は付いて回る。社内製薬医学専門家の責任は重大であり、いい加減なことはできない、厳しい職場でもあるのである。また安全性担当社内製薬医学専門家の十分な経験を積んで、薬事法上企業の医薬品安全管理の責任者を務める社内製薬医学専門家も増加傾向にある。
医薬品の安全確保は、人々の健康、すなわち公衆衛生上もきわめて重大な課題である。それだけやりがいのある、魅力的な職場だと思っている。
メディカルアフェアーズ(Medical Affairs)
製薬企業等は、目の前の患者さんに最善の治療を提供する医療現場からの要望に応じて、当該医薬品等(医療用医薬品、医療機器、再生医療等製品)の薬事承認の範囲にかかわらず、科学的根拠に基づく正確な情報を医療の現場に届けることが必要です。
営業やマーケティング本部(Sales & Marketing;S&M)に所属するMedical Representative(MR)は、自社医薬品の「適正使用」のための情報収集・提供を主として活動しています。日本でもここ数年、より高い疾患領域の専門知識等を活用して医療現場のニーズを満たすための機能組織として、メディカルアフェアーズ(Medical Affairs;MA)が注目されています。
MAは米国の製薬企業においては約半世紀前からその機能組織が存在しています。その主な役割は、販売促進活動とは異なるメディカル戦略の構築と実行、有効性・安全性情報の収集・分析、医学薬学専門家との意見交換、当該医薬品等に関するエビデンスの構築、疾患の啓発活動、医学専門家としての資材(情報提供資料)の検証、アンメットメディカルニーズ(未だ確立されていない治療方法や医療ニーズ)を発掘し解決する等の社会貢献を主目的としたものです。これら社会貢献のためには、MAは医学薬学知識専門家集団であることが求められ、その活動は中立的で、透明性が高く、信頼していただけるものでなければなりません。
どんなに優れた医薬品等であっても、使用方法を誤ると患者さんに不利益を生じさせるだけでなく、その存在価値まで脅かしかねません。自社の利益を優先する視点にとらわれず、疾患領域の将来を見据えたメディカル戦略の策定と実行にMAの存在価値があります。 MAは、Health Care Professional (HCP)と試薬企業等、研究開発(Research & Development;R&D)とS&M及び日本と海外等の間の架け橋となり、製薬企業等の中枢としての重責を担う機能組織として、今後さらなる活躍が期待されています。