第13回日本製薬医学会年次大会

大会長あいさつ

日本製薬医学会第13回年次大会の開催にあたって

2022年7月吉日
一般財団法人日本製薬医学会 第13回年次大会長
芹生 卓

日本製薬医学会第13回年次大会を、2022年7月28日(木)から30日(土)の3日間、東京日本橋ライフサイエンスハブおよびLive型Web配信のハイブリッド形式で開催いたします。

日本製薬医学会では、2009年に一般財団法人への移行後、2010年よりオープン参加型の年次大会を毎年開催し、製薬、医療機器およびその関連企業、アカデミア、規制当局および大学、医療機関、研究機関の第一線で活躍している当学会メンバーや各分野の専門家が参集し、臨床開発、製造販売後の有効性評価・安全性監視、メディカルアフェアーズ、製薬医学/医薬品開発教育訓練などに関して活発な議論を行って参りました。

今年度の第13回年次大会では、「製薬医学2030:展望と提言 ~医療が多様化するデジタル社会を迎えて~」をメインテーマといたしました。生命科学の進歩とともに、従来の低分子化合物を有効成分とした医薬品に加え、モノクローナル抗体、核酸、遺伝子、細胞などを使った新しい治療が次々と開発されています。また、デジタル技術やAIを応用した治療用アプリ(デジタルセラピューティックス)や、健康状態を把握し疾患の早期診断をめざしたプログラム医療機器が開発され、実用化が始まっています。さらに医薬品の開発やエビデンス創出、適正使用の推進やリスク管理においても、コミュニケーション方法も含めて、デジタル技術を用いた患者中心のプロセスへと進化しています。

今後、医療の多様化と個別化が進み、予防/診断/治療が改善され、患者が参画する医療の実現が期待されます。本大会では、プログラム委員、運営委員と各部会が協力し、日本製薬医学会だからこそ実現できる魅力あるセッションを企画致しました。

基調講演として、東京大学名誉教授 東海大学特別栄誉教授 黒川清先生に「日本の課題と挑戦」をご講演いただきます。特別講演は、医薬品医療機器総合機構 医務管理監・理事長特任補佐 山本晴子先生に「2030年を見据えた医薬品臨床開発」、慶応義塾大学医学部 ヒルズ未来予防医療・ウエルネス共同研究講座 特任教授 岸本泰士郎先生に「デジタルトランスフォーメーション時代の精神医学の展望」をテーマにご講演いただきます。

各セッションでは、変化を牽引されている産官学の専門家の方々にご参加いただき、2030年のライフサイエンスを取り巻くデジタル社会を見据え、活発な意見交換と情報共有の場として魅力ある大会を目指します。製薬医学のあるべき姿及びその実現に向けての課題とアクションを議論し、本学会員のみならず広く関係するステークホルダーに対して、将来に向けた提言につながる年次大会になればと考えています。

ご参加の皆様にご満足いただけるよう、大会関係者一同、一丸となって準備を進めてまいりました。多数の皆様のご参加を心からお待ちしております。