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記事紹介:製薬医学オープンセミナー「放医研・栗原氏 製薬企業との利益相反、「世界はもっと厳しい」」

 7/31に東京で開催されました「製薬医学オープンセミナー:製薬企業とアカデミアの新しいつきあい方-利益相反・契約・臨床研究をめぐるルールの革新-」の模様が、医薬経済社の「Risfax」において8/1付けで報道されました。

 ご一読頂ければ幸いです。(転載許可済)

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放医研・栗原氏 製薬企業との利益相反、「世界はもっと厳しい」

 放射線医学総合研究所・分子イメージング研究センターの栗原千絵子主任研究員(運営企画ユニット臨床研究支援室)は31日、都内で講演。製薬企業とアカデミアの利益相反の問題ついて今後の見通しを語った。日本で企業と医師、研究者との利益相反を管理して開示する流れにあるが、「世界を見るともっと厳しくなっている。一定の行為を禁止する動きになってきている」と説明。プロモーション目的の学術データの利用が拒絶される可能性も出てきているとした。

 栗原氏は、すでに米国医師会(AMA)や世界保健機関(WHO)が、製品名が目立つような企業から医療従事者への配布物に対し、学術データの別刷りや図表の転載を原則許諾しない考え方を発表していると報告した。この動きが進んだ場合、「(企業は)パンフレットに学術情報を掲載し、図表に基づいてMRが医師に説明することができなくなっていく」と予想。これは非常に大変な動きで、「企業の宣伝活動そのものを、『どんな学術を装っても信頼に至るものではない』との考え方に変わってきつつあることを意味するのではないか」と問いかけた。

 また、企業からの資金提供に関しても、日本と米国での考え方の違いを説明した。資金提供を受けた場合、日本では「その企業の利益になるような研究はしにくい」が、米国では逆に「企業の利益になる正当な研究成果が求められる」と解説。資金提供を受けた米国の研究者は、企業のメリットになるような妥当性のある科学的知識を生み出す必要があり、「むしろ、こちらのほうが正当ではないかと考える」との意見を述べた。

 栗原氏は、日本での奨学寄付金の提供は、これまで研究者にとっては自由に使えるお金を得ることができ、企業は製品を買ってもらえるとのメリットがあったと分析。しかし、米国などの動きを踏まえると、これからは企業と医療機関・研究機関の協働での研究開発として、契約に基づき研究費を提供することを提案した。そうなれば、研究者としては資金と実用化に向けた支援を企業から得られる一方で、企業にとっても医療機関から臨床の知見と学術的シーズを得ることができるメリットがあるとしている。



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