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文献紹介:海外試験データを利用した日本当局申請への留意点

 日本製薬医学会の会員でもある芹生 卓先生ならびに藤井 裕先生の共著による論文が下記のようにPHARM STAGE 2010年6月号(Vol.10, No.3)において掲載されました。PHARM STAGE編集部のご好意にて転載許可を頂きました。要約ならびに図表を掲載いたします。

 

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[月刊 PHARM STAGE 2010年6月号]海外試験データを利用した日本当局申請への留意点


海外での臨床試験データを活用した
新規抗悪性腫瘍薬の承認申請
(Japanese New Drug Application with Utilizing Clinical Trial Data in Foreign Countries)
藤井 裕 芹生 卓  ブリストルマイヤーズ(株)研究開発部門「日本製薬医学会」

1 はじめに
 国内における新医薬品の承認申請では,国内で実施された日本人の臨床試験データの提出が必須とされ,海外の臨床試験データは1990年代の後半になるまで内容の如何にかかわらずほとんど活用されない状況が続いていた1)。しかし,1998年にICH E5ガイドライン2)が合意され,海外の臨床試験データを活用して承認申請する基準が明確になった。これにより日本における医薬品開発が効率化され,海外で開発が進められている新しい治療法を早期に日本に導入することや,開発の段階で資源を効率的に使用することが可能になった1)。海外臨床試験データの活用に際しては,日本人を対象に,海外で実施された試験と類似のデザインで用量反応試験を実施する場合が多い。この用量反応試験はいわゆるブリッジングスタディと呼ばれ,日本人と日本人以外のデータを比較することで,海外データを活用して承認申請を行うことの妥当性を検証するものである。ICH E5以降,海外で開発が開始された品目では,国内での開発は主としてこのような計画で進められている3)。
 また,承認された新薬に対しては,市販後一定の期間に使用成績調査など製造販売後調査が実施される。さらに承認条件として市販後に疾患,試験デザインなどを特定した臨床試験や全症例を対象とした使用成績調査(全例調査)の実施を課される場合がある。特に承認申請に海外データが主として使用される抗悪性腫瘍薬4)では,申請データパッケージに含まれる国内臨床試験結果が少なく,日本人患者での投与経験が限定的であることから,承認条件付きで承認されることが多いと予想される。
 本稿では公表されている資料をもとに,日本で承認された抗悪性腫瘍薬に関して,承認申請時における,海外で行われた臨床試験データの活用状況および承認条件の付与状況について記述する。対象とした薬剤は,「医薬品医療機器情報提供ホームページ」5)に掲載されている,2001年4月から2010年4月の9年間に国内で承認され,新有効成分を含有している抗悪性腫瘍薬の中でも分子標的薬とした。審査報告書および申請資料概要の情報から,初回承認申請時における海外で行われた臨床試験データの活用状況,市販後臨床試験や全例調査といった承認条件の内容,希少疾病用医薬品(オーファン・ドラッグ)指定の有無に関して調査した。なお,臨床試験データは評価資料とされたものを対象とした。

 

Ps201006.jpg

<以下 タイトルのみ省略>

2  分子標的抗悪性腫瘍薬の承認状況とその品目数の年次推移

3  海外臨床試験データの活用状況と承認条件

4  海外臨床試験データ活用と承認条件付与増加の要因

5 今後の展望

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■月刊「PHARM STAGE」について

 技術情報協会の出版する「製薬・原材料・医療機器企業のための新しい教育・実務雑誌」です。 



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