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Report:臨床試験プロジェクトマネジメントセミナー

 先日、大分大学医学部臨床薬理センターが主催する「臨床試験プロジェクトマネジメント&ワークショップ」が東京都内で開催されました。

 その模様を一部報告します。

司会:上村尚人・森本卓哉(大分大学医学部創薬育薬医学・臨床薬理センター)

第1部

1300~
① 「大学病院臨床試験施設に必要なプロジェクトマネジメントの課題と展望」
須崎友紀 大分大学病院総合臨床研究センターCtinical Trial Unit Project Manager

② 「産学連携研究プロジエクトの運用の実際」

稲野彰洋 医薬品開発支援機構/ HEART 北陸臨床試験支援センター/ 大分大学医学部創薬育薬医学

第2部

特別講演14:00~

「医薬品開発におけるプロジェクトマネジメントのあり方

 -米国のDrug Development PMの立場から-」
大浦佳世理(Cathenne K.Ohura,MS, PMP)
Bristol Myers-Squibb, Associate Director, Prttect Planning & Management Department

第3部

ワークシヨップ 15:00~

「臨床研究・臨床開発におけるプロジエクトマネジャー(PM)は同時にプロジェクトリーダー(PL)であるべきなのか?~ 小グループに分かれてのディベート~」

総括:大橋京一大分大学医学部附属病院臨床薬理センター

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 前半は、大分大学のPhase 1ユニットでのプロジェクトマネジャー(薬剤師)の導入によって効率的な施設運営、Enrolmentの進捗管理、予算管理(見積もりも含め)、契約締結までの時間短縮、などが可能になった実例のご紹介。

 その次に稲野先生より大学医局での臨床研究におけるプロジェクトマネジメント不在によっておきる問題(研究途中での研究骨子の変化、プロトコルの変更の情報共有の遅延、人事異動による空中分解などのリスク)と、その解決の処方箋としてのあり方としてプロジェクトマネージャーの介在によって可能なことが提示されました。質疑応答では、どんな職種の人がプロジェクトマネージャーになる資質があるのか?では、医薬品の開発では薬剤師がベストでは?とされましたが、医療機器や細胞工学的なものについてはリサーチナースなどの看護師や検査技師でもいいのではないか?という意見もでました。

 海外の事例紹介として、大浦先生からは2009年のDIAにて発表されたセッション「Peoject Manegers(PM) and Project Leaders(PL)- Do we need both?」を元に、PMとPLのあり方についてお話をされました。

 しかし、「アメリカでも、製薬業界における、PMとPLの業務の明確な区分は、他の業界、建設や製造業などより遅れており、アメリカでもまだ最近になって確立された」という現状であり、専門家として、PLとPMのRole and Responsibilitiesの違い、プロジェクト運営に必要なスキルセット、さらにはプロジェクトの運営のあり方についての講演がありました。

 このあとのワークショップでは、架空のコンパウンドの開発計画をめぐって、PMが必要かどうか「PM/PL分離派」と「PM/PL統合派」を4つのグループに別れ、それぞれのチーム内でディベートを行い、判定をファシリテータが行うという内容で、最後に各チームで勝ったチームの代表が発表して講評を大橋先生などからいただきました。

 トランスレーショナルリサーチの分野でもこのPM/PLについて十分な議論がなされておらず、今後、プロフェッショナルとしてリサーチを進めるのに必要な役割を誰が担うのか?という意味では非常に大切な機会となりました。

 また大学、製薬企業、CRCなど各方面の方から参加してのディスカッションは、日本の研究現場で、プロジェクトマネジメントを担う人材を育成する場として今後に大きく期待できる内容でした。


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