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記事紹介:企業と医師・医療機関の利益相反の透明化を提案
日経メディカル2009年10月22日号に以下の記事が掲載されましたのでご紹介いたします。(転載許可済)
製薬企業に勤務する製薬医学専門家を中心とした集まりである一般財団法人日本製薬医学会(略称JAPhMed、旧称は日本製薬医学医師連合会)はこのほど、「臨床研究に関する提言」を発表した。製薬企業が臨床研究を経済的に支援する際は覚書や契約書を取り交わし、企業と医師・医療機関との関係の透明性を高めるよう提案している。
同提言は、わが国における臨床研究の現状について、(1)人材・組織面では、医学部で臨床研究を教育できる部門・人材、さらに必要な資金も不足している、(2)プロセス面では、多くの大学・病院では、使途が特定されない「奨学寄付金」の形でしか企業からの資金を受け入れることができず、透明性に欠ける、また、倫理審査委員会(IRB)の審査能力・進捗管理能力にも問題がある、(3)戦略・成果面では、研究成果の活用方針が不明確で、戦略性を欠く--と分析。
その上で、考えられる解決策として、(1)臨床研究に対する意識の向上、(2)多施設共同臨床研究を実施する団体の整備、(3)臨床研究にかかわる人材の育成、(4)研究資金の増大、(5)製薬企業による経済的支援--の5つを挙げた。
特に(5)に関して理事長の今村恭子氏は、「製薬企業が臨床研究の支援を奨学寄付金の形で行っているのは日本だけで、販促が目的と見られかねない。覚書や契約書を取り交わすことを推進し、利益相反の透明化に努めていきたい」と話す。同提案では、覚書や寄付契約において確認すべき内容が列挙されている。
なお、JAPhMedでは11月21日(土)に、臨床研究に関心のある人を対象に「第1回製薬医学セミナー」を開催する。問い合わせは、JAPhMed事務局(ランスタッド株式会社内、TEL 03-5275-1883)まで。