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ご報告&記事紹介:JAPhMedメディア懇話会(8/26)
2009年8月25日、アルカディア市ヶ谷においてMA部会主催で、「JAPhMedメディア懇話会-臨床研究の振興と医療への貢献について考える-」が開催されました。その模様と記事を掲載いたします。
<報告>
第一部では今村恭子理事長から「今、臨床研究の振興に必要なのは何か?」と題し、国際競争力の低下が危惧される日本の臨床研究を、真に患者のために役立つ研究とするにはどういったことが必要なのか、議論の前提となる問題提起がなされました。
第二部では名古屋大学大学院医学系研究科 坂本純一教授から「臨床研究とバイオサイエンスの展望」と題したご講演をいただきました。坂本教授のご講演では、PhaseIからPhaseIVに至る臨床試験の各段階の解説に始まり、新しい診断および治療の確立は臨床試験のみで証明され、臨床試験結果の積み重ねにより治療法が進歩すると、臨床試験の意義についてお話がありました。また、基礎医学研究ではなく、どうすれば臨床医にしかできない研究ができるかを考えていく必要があること、質の高い臨床試験を行うには多額の資金が必要であり、世界に発信できる確実なエビデンスを構築する臨床試験を行うにはIRBの中央化など国家戦略として臨床研究を推進する必要があるとご提言いただきました。
第三部では高橋希人JAPhMed評議員を座長に、参加いただいた10名のメディア関係者とのオープン・ディスカッションが行われ、予定時間を超えて熱い議論が展開されました。 今村理事長からは研究者側の提案を受け、研究者との契約ベースで資金を透明化して臨床研究の支援を行っていきたいと今後の方向性が示されました。
これに対し、メディア側からは契約を妨げるものは何か?改善策を3つあげるとすれば何か?との質問があり、理事長からは、契約を妨げるものとしては医療機関側の体制(前例がないために契約ができない、間接経費の問題など)、改善策としては1.医療機関側の意識改革、2.医学教育の場での臨床研究教育、研究者育成、3.資金 とする回答がなされました。
メディア関係者からは、問題解決のための具体的方策をJAPhMedからオープンな場で投げかけなければ、メディア側が記事にすることは難しいとの指摘がありました。これを受け、JAPhMedとしては9月を目処に臨床研究振興策の提言を行う予定であること、本年11月14日に開催されるJCPM第二回シンポジウムでも「自主臨床試験の現状と課題」と題し継続的に問題提起と議論を行っていくことを示しました。
<参照記事>
上記について各メディアに掲載されました。詳しくは下記からダウンロードしてください。
8月26日 日刊薬業 日刊薬業20090826.pdf「JAPhMed 臨床研究振興策を9月中にも提言」
「日本製薬医学会 医療の向上に貢献 医師主導臨床試験を促進」
「JAPhMed 臨床研究振興策を9月中にも提言」
(転載許可済)