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製薬医学認定医とは


製薬医学とは

 製薬医学(Pharmaceutical Medicine)とは、患者さんと公衆衛生のベネフィットを目的とし、薬剤の探索研究、開発、評価、申請、市販後モニター、マーケティング(医学的視点から)に関わる医科学専門領域と定義されます。広義には、医療倫理学、規制科学(レギュラトリー・サイエンス)、医療経済学、および公衆衛生・疫学など広範な分野も含まれます。



製薬医学における医師の意義

 製薬企業のビジネスにおいては、企業は患者さんへ直接医薬品を販売することも、直接効果・症状をモニターすることも薬事法の規制によりできなくなっています。医療の現場で、自社の医薬品がどのような使われ方をしているか、患者さんの反応はどうかを直接確かめることができません。医療の現場と企業環境の両方を知る企業内医師は、この2つの世界を結びつけ、患者さんに対して真に有益な付加価値を創造するための戦略立案において重要な立場にあります。



製薬医学教育の歴史

 製薬医学教育は、1975年にイギリスのBritish Association of Pharmaceutical Physicians (BrAPP) が2年間のプログラムを提供して以来、30年余りの歴史をもつ学問領域です。ヨーロッパ各国を中心に、教育・認証プログラムが発達しており、スイス、ベルギー、ドイツ、イタリア、スペインなど各国の大学には製薬医学修士課程が存在しています。  このように、欧米において英国型の教育システムが普及しているものの、各国および各教育機関でその教育内容や水準が必ずしも均一ではないことが認識されていました。そこで、2001年にIFAPPの教育分科会としてThe Council for Education in Pharmaceutical Medicine (CEPM)が設立され、英国式をもとにCEPMとしてPharmaceutical Medicineのカリキュラムを定め、各国での教育水準の均一化が行われています。現在は、英国、ベルギー、スペイン、スウェーデンにおいて、CEPM認定の学位が付与されており、今後は各国のプログラムにも広がっていく予定です。



製薬医学認定医資格とは

 製薬ビジネスのバリューチェーンは、研究開発からマーケティング、営業までと広く、それぞれのプロセスに対する規制要件も膨大です。また、研究開発に限っても、新薬の種を探し出す探索研究から薬剤の有効性、安全性を確認し規制当局へ申請する臨床開発まで、数多くのプロセスが存在し、各製薬企業の中でも幾つかの部門に分かれています。患者さんに対して真に有益な付加価値を提供しうる新薬を開発してゆくには、これらの幅広い業務とその目的・意義を理解して、各々の業務に取り組むことが望まれます。  製薬医学認定医資格は、これらの製薬ビジネスの各プロセスをカバーし、更にその中で専門領域を確立していると評価されるレベルの医師を認定する資格です。  資格認定に際しては、これまでの医師としての経験、製薬医学の経験、JAPhMedの提供している研修受講歴、その他の製薬医学トレーニング、及びJAPhMed で実施している試験の結果のいずれもが必要レベルに到達していることが条件となっています。JAPhMedの製薬医学研修システムは、世界標準であるCEPMの提供するシラバスに則って進められています。

(参考文献) 1. Stonier PD et al. Pharmaceutical Medicine - History, Global Status, Evolution and Development. Int J Pharm Med 21: 253-262, 2007.





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