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記事紹介:バイオ医薬品の将来

製薬医学に生きる医師 All About Pharmaceutical Medicine 第4回目がJapan Medicine MONTHLY 2010年11月号に、加藤先生の執筆による「パイオ医薬品の将来」が掲載されましたのでご紹介いたします。

 

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製薬医学に生きる医師

 ALL About Pharmaceutical Medicine 連載 第4

 

『パイオ医薬品の将来』

加藤淳 (バイオジェン・アイデック・ジヤバン開発本部)

 

 がん治療領域では、"がん遺伝子関連の研究も加速化し、被験者から腫瘍組織を生検し、遺伝子診断による"バイオマーカー"を特定し、各種の分子標的抗がん剤を道切に選択していく治療法は、多くの臨床試験を通しその効果が確認され始めている。また、介子レベルでの治療法として、細胞内情報伝達を担うキナーゼのうち、特定のキナーゼを抑えることで細胞増殖を抑制する「キナーゼの阻害薬」の創薬も最近は活発化している。従来の殺細胞をベースとした全身化学療法と比べると、格段の進歩といえるであろう。

 さらに、最近では、"がん幹細胞"に関する研究も大きく進展し、がん細胞の表面のマーカーに対する抗体標的から、川上の"がん幹細胞"を標的とし、それらを死滅させるような、より抜本的な治療戦略にシフトしていく勢いである。

 現在、当社(バイオジェン・アイデック・ジャパン)は、多発性硬化症(希少疾患)への道応を目指し、分子標的薬(ナタリズマブ)で治験を、国内の神経内科医の全面的な協力を得て、実施中である。

 この薬剤は、自己反応性T細胞の中枢神経系への侵入をブロックし、免疫性炎症反応を抑制することで髄鞘の破壊を阻止する。

 米国では、多発性硬化症のみならず、消化器系疾患、炎症性腸疾息(IBD)のクローン病に対してもFDA(食品医薬品局)から承認が得られている。

 このように、バイオ医薬品の開発は、従来の臓器別の治療概念から、ヒトの持つ免疫機構の調整(抑制)をベースにした治療概念へ、さらには病因・病態の新たな理解へと、既成の"医学概念"へのチャレンジといえるかもしれない。

 

パイオ医薬の開発における医師の役割

 

 さて、最後に著者の属する臨床開発の話を簡単にしたい。

 "がん幹細胞"や"バイオマーカー"というバイオ。テクノロジーを駆使した川上での研究開発が進む一方、製薬企業は、厚生労働省から「薬」として「製造承認」の申請を経る過程で、治験という過程を、原則、スキップできない。

 すなわち、これら川上の基礎研究から、ヒトでのPOC(=Proof of Concept)に進み、さらに最終段階の第1相試験を含めた川下での臨床試験(治験)と一連の長いプロセスがあり、言ってみれば、このカスケーディングを、医薬品開発の「創薬」と呼ぶのである。さらに承認後は、全例調査を含め、市販後の各種調査・試験も課せられる場合が多い。

 中野重行氏(元大分医科大)の提唱する「育薬」という意味では、市販後において有効性と安全性をさらに確認していく意義は論をまたないが、一方、市販後においてさらなる投資を余儀なくされる製薬企業側にとって大きな経済負担となっていることも事実であろう。これら市販後のデータが、薬剤疫学的に海外に発信できるように、また製薬企業側の開発投資意欲を損なわない、費用対効果も十分に満たすような市販後の調査の在り方を、規制当局、企業、医師、アカデミアがオープンに議論していくべき時期であろうと個人的には考える。

 治験や市販後の詳細は、日本製薬医学会のほかの執筆者の稿に譲るが、いずれにしても、メガ・ファーマと呼ばれる臨床開発でも、著者の所属するバイオ・テック系でも、臨床開発に所属する医師は、日々医療現場で格闘する医療従事者、息者さんからの「新薬への期待」を常に意識しながら、膨大な時間と費用のかかるこの「創薬」のカスケーデイング過程を、失敗を恐れずに進んでいる。

 バイオ医薬品であれ、化学合成医薬品であれ、どんなに革新的な薬剤であれ、最後の臨床開発の段階を適切に実施しなければ、承認は取得できない。アジア各国の威信をかけたバイオ産業育成の協奏(競争)曲を聴きながら、日々、黙々と、規制当局(立行政法人医薬品医療機器総合機構)、米国本社、国内外の専門医らと相談し、一日でも早く、画期的な新薬を世に出す仕事は、苦労は多いが、ほんとうにExcitingな仕事であると思う。

 



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